2009年9月1日火曜日

木曽の御嶽山 GONOIKE祭!!

木曽のナー、御嶽、ナンチャラホイ♪

木曽の御嶽山。岐阜と長野にどっかと鎮座し、その表情の美しいこと。
登る道々に幾億もの小さな世界を見た。森の世界。土の世界。菌類の世界。光の世界。
それらがひとつになって、御嶽山という姿を成している。
その中に、わたしたちは入りこんだ。一歩一歩大切に踏みしめる。少しずつ、登る。急に登らない。
時々休む。水を飲む。遠くの山々を目で吸い込む。
今、思い出すだけでも胸にこみ上げてくる、9合目近くから望んだ遠くの夕焼け。

そして、まだ登りはじめる。
森林限界を超えると、ハーハーしているのに、苦しくない。呼吸が深く、軽い。

今年の冬、コルカタで出逢った愛ちゃん。彼女はこの御嶽山の五の池小屋で毎年、夏の時期働いている。五の池小屋は、今年で10周年。清掃登山と兼ねて、音楽ライブを開催することになった。
そこで、愛ちゃんがわたしを御嶽山に呼び寄せてくれた。「童謡をうたって」と。
小屋長の市川さんのイメージする、五の池小屋のライブが、童謡だった。

ギタリストの坂ノ下典正さん、パーカッショニストの清水ヒロシさんと一緒に、わたしは童謡、民謡をうたった。

七つの子
赤とんぼ
アメージンググレース
朧月夜
青い山脈
アカシアの雨がやむとき
テレパシー
木曽節
家路

お客さんの温かくて優しい顔。忘れない。
泣いちゃった愛ちゃんの赤い瞳のキラキラ、忘れられない。
みんなの手拍子の音、ぜんぜん忘れられない。
「やっぱりね、心だよね。なんでもね」
と、うたい終えたわたしに、そう伝えてくれたおじさんの声、忘れたらいけない。
一番前に座って、体育座りして聴いてくれていた男の子。始まる30分も前から楽しみにそこにいてくれたと後から聞いて、わたしは胸が詰まってしまった。
市川さんが、「始まってすぐ、あ、何にも言うことない」と言ってくれた時、わたしは、至らないところはあったけれど、仕事をちゃんとできたんだ、という喜びと達成感に包まれた。

標高約2700mの大地で、声はどれだけ出るのだろう、空気が薄くて苦しいのだろうか、と考えていた。
空気は薄いのではなく、軽かった。
うたいながら、登りながら少し鍛えられた肺に吸い込まれる空気のこまやかさ。
マイクなし、生音で奏でた。
わたし、という楽器は、とても喜んでいた。空に舞う気持ちだった。



「木曽節」

木曽のナー 御嶽 ナンチャラホイ
夏でも寒い ヨイヨイヨイ

山でナー 高いは ナンチャラホイ
御嶽山 ヨイヨイヨイ



その土地の民謡を、その土地で唄う。
また、わたしの夢がひとつ、叶ってしまった。





水晶がほしい。と近ごろ何となくだけど思っていた。
帰りがけ、五の池小屋のバズーくん。彼はアクセサリーを作っているのだけれど、

水晶の首飾りをくれた。
うたと交換に。

わたしのうたが、結晶になった。





心に響いた、しんしんと。

もう、ことばにならない。

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